事務局Blog

HaKoBu事務局からのお知らせやぷちネタ、読者の声などをお届けします。

いすゞTW 今なお、現役!

皆さんは、いすゞ「TW」という車をご存知ですか 1951年から、いすゞ自動車で生産された6輪駆動のトラック です。「TW」は特に登板能力と強力な率引力にすぐれ、燃費も良い車でしたが現在は生産終了になっています。

当時の警察予備隊(今の自衛隊)に常駐していた米国人アドバイザーの協力を得て、富士山麓や鵠沼海岸の
砂地など過酷な状況下で厳しい試験が行われ、不整地悪路にも耐える力を持っていました
その為、電源開発工事、木材輸送、除雪などの仕事に使われ、特に山間部の悪路、砂地、泥濘で大活躍しました。
当時のカタログの表紙には「荒地を制す全輪パワー・135馬力 いすゞ全輪駆動車」と謳っています

TW」は、1951年から約40年製造されていましたが、大きなモデルチェンジを一度もしませんでした
その為、外観から年式を判断するのは、なかなか難しいです
日本で最後のボンネットタイプトラックとなった「TW」は、もう東京で目にすることは有りません
しかし…今も現役で活躍しているTW」がいると聞いて、HaKoBuスタッフは会いに行ってきました

現在、いすゞボンネットトラックTW」は日本全国で 約300台しか
登録が残っていません。
その中から実際に現存する「TW」はもっと少ない数になります。

その台数の実に半分近くが『岩手県』で登録されているのですが
岩手県の中でも更に飛び抜けて「TW」を保有する市町村が
岩手県 下閉伊郡 岩泉町』という町です。

岩泉町』は本州で一番広い「 町 」ですが、なんとその面積の93%を森林が占めています。おどろきですね
岩泉町』は広葉樹の天然林が多いのが特徴ですが、針葉樹の人口林も戦後から造林されています。
広葉樹」は広くて平たい葉、「針葉樹」は先がとがって細い葉と…小学校で習いましたよね
「広葉樹」と「針葉樹」は 葉の形以外にも多くの差があることをご存知ですか
耐久性の強い木は柱や梁に、腐りにくい木は家の土台に、木目が美しい木は内装や家具にと…。
昔から森林に囲まれてきた日本では『 適 所』という言葉通り、様々な木材を大切に使ってきました。

今回、HaKoBuスタッフは、岩泉町地域づくり支援協議会』 復興支援員
森林コンダクターの松永さん
に『岩泉町』を案内していただきました
松永さんは”森林コンダクター” として、岩泉の豊富な森林資源の
活用方法や体制づくり、仕組みづくりをご担当されています。
また、林業や『岩泉町』のことを広くアピールすることも大切なお仕事の
ひとつです。
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松永さんの活動内容はこちら
Website: http://iwaizumi-forest.jp/
Facebook: https://www.facebook.com/iwaizumiforest/
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この『岩泉町』の林業用運搬トラックとして、現在も活躍しているのが いすゞボンネットトラックの「TW」です。
岩泉町』では2017年6月現在、24台の「TW」が登録されており、丸太を積んで走っている姿を
今でも目にすることができます。その中から、
松永さんのご紹介で「TW」を保有されている、前川木材 代表 前川様を取材させていただきました

前川さんは20歳の頃から林業に関わり始め、「TW」は30年前に新車で購入されました。
前川さんが購入した時の、「TW」の価格は約950万円、当時の10トンダンプと同じくらいの価格です
岩泉町の方は「TW(ティーダブリュ)」のことを『てーだぶ』とか『てぃ~だぶ』と呼んでいるそうです。
とても愛着のある呼び方ですね。

前川さんは、丸太の運搬用として「TW」を使っています。岩泉の急峻な山の中では「TW」の登板能力が
とても頼りになりTW」でしか登れな山道もあるそうです
TWで道路を固めてから別のトラックを登らせることが多いし、なにより木を切った場所から
工場までそのまま運んで行けるTWが岩泉の林業には欠かせないね
』と前川さん。

そんなパワーの持ち主「TW」ですが、 春の雪解けの山道は滑りやすく前川さん程のベテランでも
かなり緊張してハンドルを握るそうです
あれは本当に怖いんだよ、先輩達からコツは習ったけど、今でもちょっと恐怖かな
それでもボンネットがある分、転倒しても他の車よりは安心だけどね

前川さんは、こわれた時の部品とりのため 他にも「TW」を2台保有されていますが、
現在動いている「TW」はこの1台だけだそうです

最後の1台の「TW」を現役として使うため、以前は1日に4~5回は山と工場を往復していましたが
今は1日3回までと決めているそうです。
TWが生産終了になる時、俺はこのTWを持ち続けた林業屋が岩泉では生き残ると思ったんだよ。だから
TWは絶対に手放さない。これからも俺の代はとにかく最後まで乗る。相棒だからね。

前川さんから、岩泉の林業を支えるになくてはならない「TW」のお話しを伺ってHaKoBuスタッフは
感謝の気持ちでいっぱいになりました。本当にありがとうございました。

岩泉町』は、ちょうど一年前の2016.8.30。
東北に初めて上陸した台風で、大きな被害に見舞われました。
町を流れる川は大洪水になり、自宅や仕事場の浸水、木材や製品の流失、
林道の崩壊など町全体の被害はとても大きいものでした。

しかし…岩泉の豊かな森の恵みを多くの方に届けるために、
岩泉のみなさんは努力されています。
森がつないでくれた今回のご縁をHaKoBuも大切にし
応援したいと思っています。

復興の様子などは、「岩泉町のブログ」「IWAIZUMI Forestの復興応援プロジェクト」で、ご覧いただけます。

『番外編 前川さんや松永さんが教えてくれました~
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絶対に木を切らない、『山の日』
「山の日」というと8月11日の祝日が一般的ですが、ここ岩泉では
12月12日も大切な「山の日」です。この日は絶対に「木」を切ることはしません。山を守る神様が木の数を数えるといわれ、林業関係者の皆さんは
この日はお休みするそうです。

TWの命綱
前川さんの「TW」には、大きな "輪留め" が、積まれています。
この輪留めは、前川さんの娘さんが作られたそうです
輪留めは角度と長さがで、ピッタリ合うのは大変難しく
前川さんにとって、この"輪留め" は「TW」と同じように大切な
仕事道具です。

前川さんのTHW
記事の「TW」の写真 を見て、すでにお気づきの方もいると思いますが。前川さんの「TW」…。実は『THW』と表記されています。
修理した際にペイントし直す際に T ⇔ H の順番を間違えてしまったそうです。 ある意味、世界にひとつだけの「TW」ですね

ホルモン鍋
今回の取材は、松永様にアテンドして頂きましたが、当日は「いすゞ自動車東北㈱ 宮古営業所 下村所長」も同行してくれました ランチはお二人のオススメで「1001ひろば」のホルモン鍋定食を頂きました 昔、岩泉は炭鉱の町で、そこで働いていた方がホルモンを食べる習慣があったそうです。
暑い夏に、熱いホルモン鍋を食べHaKoBuスタッフは汗だくになりましたが、とっても美味しかったです (食べた後に、お二人から「これ食った後は臭うので人と会えないよ」と宣告されました~

さざなみ「いすゞ」
ランチ をご一緒した「いすゞ自動車東北㈱ 宮古営業所 下村所長」が、いすゞの初代マークを持っていると聞いて、見せてもらいました。せきたい流で書かれた「いすゞ」の文字を12のさざなみで囲んだものです。
「ゞ」の文字が印象的ですよね。
清らかに流れる五十鈴川を表すかのような形ですが、これは「踊り字」と呼ばれ、平仮名(濁点)を繰返し重ねる際に使われる記号です。

龍泉洞
岩泉には日本三大鍾乳洞のひとつ『龍泉洞』があります。
洞窟の長さは3600mまで確認されていて、毎秒1100~1500リットルの地下水が湧き出ています(ミネラルウォーターは最高に美味しかったです
水温は年間を通じて9度、洞窟内は10度…なのに、真夏だからと半袖で入ってしまったHaKoBuスタッフは凍えそうでした

みんなからのコメント

  • 「300台も残っていたとは驚きです。」 投稿者:片山 善雄 2017/08/29 23:05
    同じ顔をした後車軸が一軸の「TS型全輪駆動車」は、雪道路線用などの
    ボンネットバスもあり、こちらもかなりの残存率で残っているようですが
    後車軸が二軸のTW型6輪駆動トラックが、一桁多い300台も残っている
    とは驚きです。これからも大切に末永く乗り続けていただければと思います。
    私のビッグホーン4WDもTS型、TW型全輪駆動車のDNAが
    引き継がれているものと思うと、感動です。

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